シアバターとは、アフリカのサバンナ地帯だけに自生するシアバターの木の実の種から取れる植物油脂です。
シアバターの木は、実を付けるまで25 年、成熟するまで30~40 年もかけて育ち、その寿命は200~300 年とも言われています。この木が地中に深く根を下ろし、厳しい環境に耐え抜く力を持つことから、現地では長寿の代名詞にも使われ、「神秘の木」として敬われ、大切にされてきました。
古くから、シアバターはアフリカの人々にとって、強い日差しや、乾燥から守り、傷や火傷を癒す万能薬とされ、食用や燃料にも使われ、あらゆる場面で重宝される、生活必需品です。
シアバターの主成分は、オレイン酸とステアリン酸。
他に、ビタミンE、D 等の、微量成分が豊富に含まれています。
マリでは、女性の家事負担の割合が大きいため社会進出の機会は少なく、特に農村部での女性の失業率が問題視されています。シアバター作りは、西アフリカでは伝統的に、女性にのみ許された仕事なので、農村部の女性にとってシアバター作りに携わることは、現金収入を得る貴重な機会となります。また、仕事を通じ、シアバター作りの技術を学ぶことで、日常生活の必需品を自分自身で確保できる手段を獲得することにも繋がります。
その秘訣は、、、 シアコロのシアバターを作るマリ農村女性自立支援協同組合「ユニオンカロジェ」の女性達の、最高品質のシアバターを目指す研究開発と、鍛錬の成果です。
シアバターの原料となるシアバターの木の実は、しっかりと熟している方が品質の良いオイルになると言われています。原料の実の収穫時には、夜中のうちに木から落ちた実を拾う為に、女性達は夜明け前から、懐中電灯を手に収穫作業に向います。「カロジェ」では、彼女たちが一つ一つ拾い集めた実だけを、シアバターの原料として使用しています。
シアバター作りで最も労力を要すると言われるのが、オイル抽出のためにシアナッツペーストを練って乳化させる行程。ここで「カロジェ」では、独自の製法で、より念入りに練り上げることで、種子独特の強い匂いを軽減させ、他にはないなめらかさを得ることに成功しました。
オイルの純度を高め、品質を安定させるために、シアバターを薬品で精製する企業も多いのですが、「カロジェ」では、一切の化学薬品は使用しません。手仕事にこだわり、時間をかけて加熱し、何回にも分けて煮詰め、不純物をゆっくりと沈ませ取り除くことで、よりクリアーで明るい色を引き出すことができました。